↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(奥村修計君)
出席議員半数以上であります。これより議事日程第3号により本日の会議を開きます。
日程1
市政一般質問
について、前日に引き続き
市政一般質問を行います。20番井手義和君。
〔井手義和君登壇〕
2 ◯20番(井手義和君) おはようございます。
岩波書店の広辞苑によれば、「緑風」とは初夏の青葉を吹くさわやかな風と載っております。緑風に乗り、さわやかな質問をしたいと思います。市長、理事者の皆さん、長崎市政に一陣のさわやかな風が吹き込むようなご答弁を期待いたします。
まず、高齢者の財産管理に対する支援について。
超
高齢化社会の到来は、日本に限らず、世界の先進諸国でも見られる社会現象であります。長寿ということは、それ自体は人類の悲願であり、まことに喜ぶべきことでありますが、またおごれる人間の能力の限界をも私どもに突きつけているとも思えます。長寿、すなわち幸せとは一概に言えない世界が訪れていると思えるのであります。年をとると、だれしも身体的にも精神的にも衰えてきます。国も地方自治体も、この
高齢化社会を迎え、高齢者の福祉について真剣に取り組んでいます。
ゴールドプランに続く新
ゴールドプラン等において、施設や介護については、ある一定の目標を掲げ、
高齢者福祉施策の充実を図ってきております。
そういう中で、新たな問題が提起されてきております。それが高齢者の人権の擁護と財産の管理の問題であります。
今の高齢者は、ほとんどの人がそれなりの資産を持っています。大は、大地主や大株主から、小は、ささやかな年金の貯金をしている人などさまざまですが、世の中の悲しいところは、これらに群がる
オオカミたちが必ず存在するということです。善良なお年寄りたちが財産上の被害に遭っている事例は、新聞紙上をにぎわわせている大事件から、全く世間には知られていない小さな事件まで、
弁護士会主催の
シンポジウムや関連の書物等で紹介をされております。日本の今日の法制度において、高齢者の人権や財産を守る方法は確立されておりません。
そこで近年、幾つかの自治体において、これらの問題に対し独自に取り組んでいるところがあらわれました。東京都や埼玉県では、専門機関を設置し、また、東京都下の各区や各市でも
行政サービスを始めております。その内容は、重要な書類、預金証書や実印などの保管、預貯金の出し入れ、家賃、公共料金等の支払いなどのまだごく日常的ないわば軽い業務の範囲にとどまっておりますが、将来的には、痴呆や心身衰弱時の財産管理の問題まで踏み込んだ施策が要求されることになると思われます。本市においても、この問題について検討を始める時期にきているのではないかと考えるものでありますが、市長及び理事者の見解を求めます。
次に、文化行政について。
まず、三重地区の
中学校増設についてお尋ねいたします。
ご承知のように、三重地区は、新長崎漁港の開港や大型団地の開発、また市営、県営住宅の建設により目覚ましい人口増を遂げています。現時点での人口は1万6,000人を超え、さらに
桜ケ丘ニュータウンと光風台第二団地の計画が具体的に進んでいます。現在の
三重中学校には、地区内の三重、畝刈、鳴見台の3小学校から児童が入学し、生徒数805名、22学級の大規模校となっております。数回の増築のために空き地もなくなり、また体育館には全校生徒が入りきらないという状況になっております。団地の開発が予定どおり進むと、平成15年には30学級を超え、過大規模校となり、
三重中学校の分割、すなわち三重地区内の新中学校の増設は必至の状況であります。これらの状況を踏まえ、三重地区内の
中学校増設につき、どのような見通しをもっておられるのか、お伺いをいたします。
次に、図書行政についてお尋ねをいたします。
市立図書館の建設については、市民の要望も強く、先般、
新興善小学校跡地利用の検討の中で、この跡地に図書館及び博物館を建設するという一定の結論が固まったことは、まことに喜ばしく、一日も早い図書館建設を願うものでありますが、諏訪小学校及び桜町小学校の建て替えとの関連で、あと少なくとも10年間は待たねばならない状況の中で、図書行政については、一日も休むことなくサービスの提供を行わなければならない重要な行政責任があるものであります。
市立図書館の建設を待って図書行政を充実させるのではなく、むしろ
市立図書館を持たない今の時点においてこそ、図書行政の重要性は高いのではないかと考えるものであります。そして、
市立図書館の建設、開館を念頭に置きながら、その時点で直ちに新
市立図書館と連動できる図書行政を進めておく必要があるわけであります。
このような考えのもと、本市の図書行政を見てみますと、まことに不十分、不満足な取り組みと言わざるを得ません。
図書購入費において、また市民一人当たりの蔵書数、貸出数においても他都市と比較して著しく低い数字が示されております。また既存の
図書センターを初め公民館やふれあいセンター内の図書室にしても、場所的問題、蔵書内容等、市民が利用しにくい側面も問題であろうかと思います。もっと市民が利用しやすい場所、通勤や買物等のついでに寄りやすい図書館、いわゆる
街角図書館的なものを考えることができないのか、お尋ねをいたします。
さらに、
市立図書館建設までの間の図書行政の取り組みについて、お示しをいただきたい。
次に、市民文化の振興及び
文化振興協議会の役割についてお尋ねをいたします。
市民文化の振興については、これまでも多くの議論がなされ、さまざまな指摘がなされてきました。施設の貧弱さ、
財政的裏づけの弱さ、人材不足など厳しい内容ばかりであります。そのような中、ことし3月、「文化の樹」を大きく育てるためにという表題のつけられた
市民文化活動振興プラン」が発表されました。本市の文化振興について、初めてのまとまったプランではないかと思います。その中身は、まず本市の文化環境の貧弱さの指摘をし、どうすれば文化の樹を大きくすることができるかを考えております。なかなか的確な分析と方向性が示されているものと評価をしたいと思います。それだけに、このプランの中に述べられたものを絵にかいたもちに終わらせないためにも、ぜひ具体的な実施を期待するものであります。
そこで、お尋ねをいたしますが、まず行政の取り組むべき施策例として、(1)
文化職制度の導入の検討、(2)
定率予算制度の導入の検討、(3) 全庁職員の研修の充実等が挙げられておりますが、これらについての導入のスケジュールについて、お示しをいただきたい。
次に、このプランの具体的施策の一つとして既に設置された
文化振興協議会についてお尋ねをいたします。この協議会のメンバーは、市内の
各種文化活動を行っている団体等の
代表者クラスの方々を委員として構成されており、文化振興にかかわる諸事項について協議検討し、その活動内容を市長に報告することになっております。
そこで、この報告や検討内容を市長はどのように受けとめ、どのように施策に反映されることになるのか、お尋ねをいたします。
次に、旧
香港上海銀行長崎支店記念館の活用についてお尋ねをいたします。
この記念館は、長崎に残る最大の洋館として国の文化財の指定を受け、先般、修復作業も終わりオープンいたしました。また、その1階ホールは市民の小さな
イベント会場として開放され、
ミニコンサートや朗読の会などに利用されております。しかし、これらの市民の利用に際し、建物が文化財という性質のものゆえ、利用の仕方が窮屈なところがあり、十分に使い勝手のよい建物とは言えないところがあります。照明、音響装置、小さなステージ台、床面、カーテン、タペストリーなどを整備充実させ、より市民が利用しやすくなるよう工夫する必要があると思いますが、ご見解をお聞かせください。
次に、
西彼半島観光ルートの
ネットワーク化についてお尋ねをいたします。
最近の長崎県の観光は、佐世保市の
ハウステンボスと
長崎市内観光の二極を核として成り立っております。そして、
ハウステンボスを訪れた観光客のうち
県内周遊者の55.1%が長崎市内を訪れ、また、
長崎市内観光客のうち
県内周遊者の50.3%が
ハウステンボスに立ち寄っているというデータが、平成8年版
長崎地域広域市町村圏協議会が示しております。つまり、長崎市及び
ハウステンボスを訪れた観光客のうち、その半数以上がもう一方の観光地を訪れているということで、この2つの長崎県内の観光地の核が互いに密接な相乗関係にあるということがうかがい知れるものであります。
そこで、この両者を結ぶルートのうちの一つである国道202号線沿線は、大瀬戸、外海町の五島灘に面したすばらしい海岸線と景観を有し、長崎市側の基点に新長崎漁港があります。最近の動きとして、魚市への観光バスの乗り入れの実現や地元水産業や
水産加工団地が行っている毎月1回の朝市も多数の客を集めております。これらを結んだ
観光ルートの拡充あるいは開発について、関係周辺の自治体と協議をし、長崎市及び
ハウステンボス両観光地と連動した
観光ポイントをつくることができないか、お考えをお示しいただきたい。
次に、地図の整備について。
まず、地籍調査についてお尋ねをいたします。
我が国の憲法は、その29条で国民の財産権を保障しております。国民の財産の中で、最も重要で国民の関心の高いものの一つに不動産、なかでも土地があります。土地は、我が国の経済活動においても、また国民の生活上においても、その基本となるもので、土地の管理をきちんとすることは、憲法に保障された国民の権利を守ることであり、国または地方自治体の重要な施策であると考えるものであります。これを管理するためには、その位置、形状、面積等を示す地図の整備が絶対に必要な要素でありますが、残念ながら現状は全く不十分な状況であることはご承知のとおりであり、この地図の不備を原因とするトラブルが後を絶たず、国民に多大な迷惑をかけており、また行政の公共工事等の執行にも支障を来している状況は、これまで何度も指摘をしてきたところであります。
国は、これらの問題の解決のため国土調査法を定め地籍調査を進めようとしておりますが、実施自治体である市町村は、その業務内容の重要性は認識しながらも地味で苦労が多く、多額の予算と年月を要する本事業への取り組みには及び腰であり、本市においてもいまだ未着手であります。平成7年1月に起きた阪神・淡路大震災後、家屋の再建に当たった市民が隣地との境界不明のためトラブルとなり、相談に訪れた方がその年の2月から12月の間に1,000件に及ぶという実例は、この地籍調査の重要な役割を示す身近な事例であります。また、
行政コストの節減にも効果があることもご案内のとおりであります。
地籍調査の実施については、平成7年6月議会の本員の質問に対し、市長は、「その実施に向け具体的調査を行っている」旨のご答弁をいたしております。その調査の結果及び今後の取り組みについて、お示しをいただきたい。
次に、
公共基準点の設置についてお尋ねをいたします。
地籍調査を実施したとしても、その完成までは長年の年月がかかる事業であります。地籍調査が完成されるまでの間、国民は、また市民は、正確な地図によって土地に関する権利を保全することができないわけであります。公有地についても同じであります。ならば、次善の対策として
公共基準点の設置ができないかということであります。
公共基準点とは、市内各地に
永続的ポイントを設置し、
国家基準点と連結し、
公共座標値でその位置を特定し、周辺の土地測量は、すべてこの基準点を基点として
公共座標値で行うという方法であります。
公共基準点設置のメリットは、道路、水道、下水道等の建設において統一的図面が作成できるのでお互いむだが省ける。境界の正確な復元ができるので境界紛争の防止が図られる。市発注の測量業務の経費節減になるなど、正確で効率的な公私の土地管理に威力を発揮するものと考えられています。この
公共基準点設置について、お考えをお伺いいたします。
最後に、地番図の活用についてお尋ねをいたします。
本市資産税課においては、適正な課税に供するため土地台帳とともに公図を備えております。この公図は、
法務局備え付けのいわゆる字図と全く同一のものであり、正確さに欠け精度の低いものであることは、ご案内のとおりであります。そこで、本市においては、より精度の高い、現地と符合する図面の必要性から数年前から航空写真等を使い、いわゆる地番図の作成に取りかかり、このほど完成したわけであります。本員もその一部を見せていただきましたが、なかなか立派なものであります。この地番図はどのように活用されているのか、また一般に公開するなどの活用ができないか、その活用についてお尋ねをいたします。
以上、壇上よりの質問とさせていただきます。=(降壇)=
3 ◯議長(奥村修計君) 伊藤市長。
〔伊藤一長君登壇〕
4 ◯市長(伊藤一長君) おはようございます。
井手義和議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。
まず第1点は、高齢者の財産管理に対する支援についてでございます。
今日、我が国では、世界に例を見ないスピードで高齢化が進行しており、広い範囲においてさまざまな問題を投げかけております。その一つが、議員ご指摘の高齢者の財産管理の問題でありまして、高齢者とりわけ痴呆性老人の財産管理をめぐるさまざまなトラブルや人権侵害という問題が顕在化していることは、ご承知のとおりであります。また、この問題は、
知的障害者についてもしかりでございます。
高齢者の保有する財産につきましては、老後の生活を保障する糧として蓄えられたものがそのほとんどでありまして、管理能力のない場合において、みずからの意思によらず財産の処分等が行われるならば、自力では生活の再建は不可能かと思われます。つきましては、
高齢者自身による財産管理が困難な状況でありましても、高齢者の意思が最大限に尊重され、公平な第三者もしくは第三者機関の援助により適切な財産管理が可能となる制度が必要であります。これらの問題を現行の法制度の中で解決しようとするならば、例えば
禁治産宣告あるいは準
禁治産宣告を行うことで不利益を回避することができますが、この制度には社会的な偏見も根強く残っており、利用しにくい制度となっております。これからは痴呆性の高齢者や
知的障害者の人権や権利の主体として財産をどのように管理、運用、処分するかをみずからの意思で決定するという自己決定権が保障されていかなければならないというふうに考えております。
このような財産管理について、できる限り個人の意思が尊重されるような新しい仕組みを創設する必要があることから、現在、国において
成年後見制度の検討がなされているところであり、今後の同制度の実現を大いに期待しているところであります。
なお、高齢者の財産管理に対する地方自治体での取り組みとしましては、東京都の区や市で実施されている預貯金通帳、実印等を
提携金融機関の貸金庫に保管する
財産保全サービスや預貯金の出し入れ、公共料金の支払いなど金銭の支払いを行う
財産管理サービスがあり、保有する財産を充実した老後のために安心して管理、利用できる制度となっております。
また、財産管理や人権擁護の問題についての組織的な取り組みといたしましては、
日本弁護士会連合会の活動があり、また最近では、
日本司法書士会連合会におきまして、この問題に関する
シンポジウムの開催など活発な取り組みがなされる一方、司法書士としての専門的な能力を活用し、
高齢者財産管理センターの設立構想を公表されるなど、鋭意取り組まれているところであります。
本市といたしましても、今後、
ひとり暮らし老人や
高齢夫婦世帯の増加が見込まれる中、高齢者の方々が安心して日々の生活を営まれるようにしていくためには、高齢者の財産管理は重要な問題としてとらえておりますが、極めて難しい法的な問題なども含んでおりますので、当面は国や他自治体の
取り組み動向を見定めながら研究してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
次に、
教育文化行政の図書行政につきましてお答えをいたしたいと思います。
長崎市の図書行政につきましては、抜本的には
市立図書館の建設ということになると考えておりますが、建設まで議員ご指摘のように、若干の時間を要しますので、それまでの間に
既存図書室の活用を図り、全市民がみずからの生活圏の中で十分な
図書サービスが受けられ、かつその要求に対し的確、迅速に応えることができるシステムの構築を図るために、庁内に
図書情報ネットワークシステムの整備に係る検討会議を設けまして、図書の充実、
既存図書室の整備、
図書オンラインシステムの拡大等について検討しているところでございます。その検討会議の中で、
図書購入費につきましても、議員ご指摘のとおり、類似都市と比較いたしましても少ない現状が指摘されております。これを受けまして、平成9年度におきましては、
図書購入費も増額いたしておりますので、今後とも年次的に
図書購入費の増額に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
先ほど申し上げましたとおり、庁内の検討会議で
既存図書室の整備を検討しておりますが、その一環といたしまして、今年度は
図書センター図書室の改造を実施しておりまして、新たに
児童図書室が開設されることになっているところでございます。今後は、さらに年次的に公民館など市内29カ所に設置しております
既存図書室の整備を図っていく予定にしているところでございます。
さらに、本市では、読書の楽しさやすばらしさを知ってもらうとともに、読書を通して親と子の触れ合いを深めることを目的といたしまして、市内全域に子供文庫が現在108カ所つくられており、そのほかに市民文庫が2文庫ございます。このような文庫などに対し
宅配サービスを実施しております。
したがいまして、
街角図書館の件のご指摘がございましたが、
街角図書館につきましては、
既存図書室を整備充実することや、先ほど申し上げました
宅配サービスを充実することによりまして対応できるのではないかというふうに考えておりますので、ご理解方よろしくお願い申し上げたいと思います。
図書の
オンラインシステムの件でございますが、現在、大型公民館など8館とのオンラインを実施しております。今後は、議員ご指摘のように、県立図書館あるいは地区公民館など
既存図書室との
オンライン化を年次計画で積極的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、
文化振興協議会の件につきましてお答えをさせていただきます。
本市では、長崎市総合計画の「ゆたかな新しい長崎の創造」の基本理念のもとに、市民文化の向上と都市基盤の整備を計画的に進めてまいりました。文化行政においても総合計画に基づきまして、年次的に施策・事業の計画的な展開を図ってきたところでございます。しかしながら、「もの」から「こころ」への価値観の変化を反映いたしまして、昨今の文化行政への
市民ニーズは、ますます広がりと深さを増すとともに、行政においては、より迅速で的確な対応を求められるようになってきたところであります。
そこで、本年の3月、長崎市総合計画第三次基本計画の個別計画といたしまして、市内で実際に文化活動の現場の第一線でご活躍され、文化振興に情熱と意欲をお持ちの方々によります実質的な討議の積み重ねや有識者の方々のご意見等を踏まえさせていただきまして、
市民文化活動振興プランを策定したところであります。このプランは、市民が展開する芸術性を志向した文化活動をより一層盛んにするため、西暦2000年をめどに具体的な本
市文化行政の施策の方向性を明らかにすることを目的としたものでございます。
このプランでは、本市の文化の樹を大きく育てていくために、「頂点を高める」「すそ野を広げる」「環境を整える」の3つの基本方針を掲げ施策を体系づけております。さらに第4章には、「まずここから始めます」といたしまして、施策展開の上で重点的な配慮を行う部分といたしまして、行政の意識改革、公会堂運営の反省に立った
愛称長崎ブリックホールの運営、自主事業への積極的な取り組みの3点を取り上げております。この中には、
具体的施策例として、いわゆる
文化職制度として、文化関係に精通した専門職員の検討や
定率予算制度として毎年度の予算の中に一定の率で文化予算を確保する制度の検討、
文化振興意識の向上を図るための全庁職員を対象とする研修の充実などを掲げておりますが、これらの施策例につきましては、庁内の各部局が連携を取りながら実施するものも多く、今後、内容につきまして、総合的な角度から検討、研究を重ねまして、課題や問題点あるいは財源の問題等々につきまして整理を行うとともに、
文化振興協議会における協議を行いながら研究してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
次に、長崎市
文化振興協議会の役割についてでございますが、先ほど申し上げました
市民文化活動振興プランに沿って施策の具体化を進めるために、文化施策の実施に係るさまざまな問題を検討協議する機関といたしまして、平成9年4月に設置をいたしまして、これまでに協議会を2回開催しております。この協議会は、自主事業の企画や実施に当たり広く市民の声を生かしていく、あるいは利用者の声を反映させた柔軟な施設運用を図るなど、行政施策への
市民ニーズの反映を目的としております。
本協議会は15名の委員で構成されておりまして、その委員につきましては、性別、年齢を初め学識経験のある方、文化・経済団体等の関係者、文化活動に携わる方など文化活動の第一線で活躍し、また芸術文化に関心と識見をお持ちの各界各層の市民の方から選定をさせていただいたところでございます。
本協議会の協議及び検討内容は、
市民文化活動振興プランをもとに次の6つの基本項目を要綱に定めております。その内容といたしましては、1番目に、文化施設の老朽化及び文化施設の不足という問題に対応するために、文化施設の整備及び運営に関すること。2番目に、本市が積極的に自主事業を進めていくことに対応するために本市の自主事業の企画及び実施に関すること。3番目に、文化活動をしている人たち相互の横のつながりを強化し交流を促進するために、市民、
文化団体等の
ネットワーク化に関すること。4番目でございますが、文化活動をしている個人や活発な公演活動をしている団体のリーダーなど、地域の文化活動を支える人材を育成していくために、文化活動及び文化活動を担う人材育成に関すること。さらに5番目でございますが、文化団体の財政基盤や人的、物的基盤が脆弱であるという問題に対応するために、文化活動に対する支援に関すること。さらに6番目は、その他文化振興に係る
市民ニーズ及び行政施策に関することなどを掲げております。
本協議会では、この基本的項目に基づきまして、今年度は
愛称長崎ブリックホール等の運営の基本方針や運営組織のあり方、
愛称長崎ブリックホールや公会堂、チトセピアホールなどの文化施設の運営の一元化、自主事業の企画内容などの議題につきまして、毎月1回のペースで協議会を開き検討を行ってまいります。この協議会では、実際に文化活動を行っている方々の現場の声や有識者の方々からの大局的な意見として委員の皆様より率直なご提言をいただきたいというふうに考えているところでございます。
なお、協議会で出されましたご意見やアドバイス等につきましては、本市の財政事情あるいは事業の重要度を踏まえながら、その実現に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
次に、西彼杵半島
観光ルートの
ネットワーク化につきましてお答えをいたしたいと思います。
本市は、観光客誘致対策といたしまして、ながさきみなとまつり、長崎くんち、長崎ランタンフェスティバルといった長崎の特色あるイベントを展開するとともに、出島を初めとする歴史性を有した史跡や数多くの文化財などの顕在化と活用を図っております。また、滞在型観光のより一層の推進のために、ライトアップ事業やグラバー園の夜間開園等を実施し、夜型観光にも力を入れております。今日、観光都市を取り巻く環境は、テーマパークやアミューズメント施設の増加で厳しくなってきておりますし、観光都市間の競争を勝ち抜くためには、先ほど申し上げました地域の特色を生かしながら、新たな観光資源を掘り起こすことが必要と考えております。
議員ご提案の新長崎漁港から西彼外海町を通る国道202号線は、変化に富んだ美しい海岸線と夕日が海に沈む光景がすばらしく、今日の自然志向の強い時代にニーズを満たす価値ある観光資源の一つであると私も考えております。西彼杵半島及び長崎半島の各町とは、消防とか救急、福祉・医療、上下水道等の幅広い広域行政を推進いたします長崎広域市町村圏協議会や、観光レクリエーション資源の開発とその活用整備並びに観光客誘致等の方策を研究いたします長崎・西彼地域観光推進協議会が設置をされております。長崎
西彼半島観光ルートの
ネットワーク化につきましては、観光バス乗り入れのための道路網の整備、休憩所の設置、観光客に喜ばれる特産品の販売等の検討、また観光客を誘致する旅行業者との意見交換等、関係機関との連携を図りながら推進をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、地図の整備につきましてお答えをいたしたいと思います。
まず、地籍調査でございますが、地籍調査につきましては、公共事業等の円滑化、土地にかかわるトラブルの防止、課税の適正化、行政財産の管理の適正化などの効用が考えられ、土地に関するあらゆる施策の基礎として重要かつ必要であるというふうに認識をしております。本市の現在までの取り組み状況でございますが、土木総務課を窓口といたしまして、実施に向けて具体的な問題点を把握するために類似都市の実態調査等を行っております。また、長崎県国土調査推進協議会や西彼地区の国土調査連絡協議会へ加入し、国、県、周辺町との連携をさらに深めることといたしております。
地籍調査は、長い年月と多額の費用及び多くの人員を必要とするものでありまして、あらゆる角度からの調査研究が必要不可欠であり、現時点では、地籍調査事業の着手をすぐするということは、残念ながら難しいのではなかろうかなというふうに考えておるところでございます。
次に、
公共基準点の設置の件でございますが、
公共基準点の設置につきましては、本市においても公園、道路を初め公共用地取得のための登記並びに将来の国土調査に備えるため基準点の増設を図ることが望ましいと考えております。現在、道路台帳整備のために174点を設置し管理しておりますが、市内全域を網羅するには、これまた多額の費用を要するため、早急な実施はこれまた残念ながら困難と思われます。
そこで、一つの方策でございますが、各事業部局単位で工事及び測量業務委託に含めて、新点設置の測量を実施し増設を図ることができないか、国土地理院へ照会をしたところでございます。その結果といたしまして、既存の三角点を基点といたしまして、1級及び2級基準点を均等に配置し、すべての点が整合性を確保する一体的な全体事業計画を策定し、基準点の増設を実施し認証手続きを進めるよう指導がなされたところであります。
また、新たな問題点が明らかになりましたのは、国土地理院が2000年に衛星通信を利用いたしました、いわゆるGPS測量によりまして、基点としての国家三角点の精査を行う予定とのことでありまして、本市が先行して新たな基準点の増設を行うならば、その後に再測量及び補正を行うことが必要となるということになるわけであります。
したがいまして、本市における現時点での基準点の増設は二重投資につながることにもなるため、国土地理院の再測量が完了した後に実施することが得策ではないかというふうに考えますので、今後、さらに国土地理院との協議と指導を得ながら、地域、期間、精度、方法及び年度割等の事業計画につきまして、事業課長等で構成いたします検討会議を設置しまして、事業計画の検討及び策定を進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、地番図の活用につきましてお答えをいたしたいと思います。
現在、評価資料といたしまして資産税課に備えております字図は、形状、位置関係等が地域によっては現況と相当異なっております。そのために、精度の高い評価用資料として活用する目的で、航空写真をもとにした地番図を作成したところであります。現在、資産税課において、土地・家屋の評価用資料として有効に利用しておりますが、そのほかに市内部の用地、下水道、土木等の部署においても活用をしております。しかし、一般市民の方への公開につきましては、地番図は地籍図と異なりまして実測に基づいた地図ではございません。あくまでも課税実務上の内部的資料に過ぎないわけでありまして、そういった意味では何ら法的根拠もないために、仮に一般に公開した場合に、公図と誤解され混乱を招くことも予想されるわけであります。現時点で、そういうこともございますので、公開ということにつきましては、差し控えさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
以上、私の本壇よりの答弁を終わらせていただきまして、教育問題等につきましては教育長の方から答弁をいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。=(降壇)=
5 ◯教育長(内田進博君) まず最初に、三重地区の
中学校増設の件についてご答弁を申し上げます。
三重中学校は、新長崎漁港の開港や大型団地の開発及び公営住宅の建設等によりまして、近年、生徒数が増加をいたしております。平成8年度も2教室を増設いたしました。平成9年5月1日現在で、学校規模といたしましては生徒数が806人の22学級でございまして、市内でも大規模な中学校に分類されます。通学します小学校は三重小学校、畝刈小学校及び鳴見台小学校が校区となっておるところでございます。また、校区内には、今後も大型団地の開発計画が見込まれておりまして、当該団地開発による生徒増を見込んだ生徒数の推計では過大規模校と今後なることも予想されます。このため、大型団地の開発予定地内に学校用地の確保について開発業者と現在、協議中のところもございます。
したがいまして、今後も三重地区の団地開発の進捗状況や生徒数の推移を見極めながら、
三重中学校の増築時期や新設中学校の建設について検討する必要があると考えております。
なお、
三重中学校の体育館の件でございますが、中学校の体育館の保有面積は、現在780平方メートルでございます。文部省基準に対します充足率は約半分近くの53%と低い状況でございます。そのため、その狭小な体育館を補完する施設といたしまして、武道場の建設を早めたという経過もございます。現在の体育館の全面改築につきましては、経過年数の不足によりまして国庫補助の対象とならず、また、増築につきましては増築スペースがなく苦慮いたしているところでございます。運用面で何かよい方法はないか、学校側とも今後十分協議してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解を賜りたいと存じます。
次に、旧
香港上海銀行長崎支店記念館の活用の件でございます。
香港上海銀行長崎支店は、明治37年に建設されたもので、平成2年に国の重要文化財に指定されたことは、ご承知のとおりでございます。活用案につきましては、市民による旧香港上海銀行保存活用懇話会の意見を踏まえまして文化庁とも活用内容について協議を進めました。その結果、1階は、銀行機能の復元を図るための展示を行うとともに、夜間は多目的利用を図り、小音楽会や小規模の講演会などが開催できる施設、2階につきましては、喫茶室及び会議室、3階は、港に関する資料の展示という基本案を平成5年に作成いたしまして、これをもとに旧
香港上海銀行長崎支店記念館として平成8年10月1日に開館をいたしたところでございます。
多目的ホールの利用状況につきましては、平成9年5月末現在で、文化団体の活動等各方面で活用をいただいておりますが、現在のところ延べ37団体、2,575人の利用があっております。
議員ご指摘の多目的ホールの利用と文化財としての制約の件でございますが、開館以来、ポスター等の掲示に壁面の利用ができないということ、あるいは建設当時の照明のため暗い。そういった使い勝手がよくないという声がございました。復元の趣旨が、当時の復元を図り、建物そのものが展示物という考えのため、重要文化財の原状変更の制約、あるいはしっくいなど特殊な内装による使用の制約、収納場所の制約などがございまして、一般の建物のように利用ができないという面がございます。
先般、このような利用をいただいております関係者にお集まりをいただきまして、旧
香港上海銀行長崎支店記念館多目的ホール活用検討会なるものを開催いたしまして、いろいろとご意見、ご要望をいただいた中で、いすの増設及びカウンター用シート、催し物案内板、照明スタンドの設置については完了をしたところでございます。
今後は、文化財という制約はございますが、文化財保護と活用の調和を図りながら自立式の掲示板、収納可能な可動ステージの導入についても検討をし、利用者の立場に立って、可能な限り利用しやすいように努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願いをいたします。
以上でございます。
6 ◯20番(井手義和君) それぞれご答弁ありがとうございました。なかなかさわやかな答弁というふうな感じがいたしませんで、再質問をさせていただきたいと思いますが、余り時間がありませんので、項目を絞ってお願いいたします。
高齢者の財産管理につきましては、まだ全く当市では、それをやるつもりがない、難しい法律関係があるし、国や他の自治体の動きを見定めたいということなんですが、他の自治体においては、いろいろな相談事が持ち込まれております。恐らく本市においても、そういう潜在的な相談事はあろうかと思いますが、それを受け入れる体制ができていないと、先ほどの市長さんのご答弁からもそういうふうに思われます。市民の皆さんはどこに相談に行ったらいいんだろうかというふうな気持ちの方が多分いらっしゃると思いますので、今のすこやか支援室等においても、高齢者の方の人権の擁護、もしくは財産の管理等についてきちんと相談に対応できるような体制をひとつつくっていただきたいというふうに、これは要望を申し上げておきたいと思います。
次に、
三重中学校の件ですが、教育長は、増築の空き地もない、余裕がない、体育館も建て替えられない、非常に苦慮しているということでございますが、教育関係の方が苦慮されておっても、当の生徒はもっと苦労しておるわけです。体育館に全員は入れないということで、いろいろな文化行事等もできないわけですね。そういうのを苦慮しておるということで済ませることはできないと思うんですね。どういうふうにして子供たちの教育環境をきちんと整えていくかということを考えるのが教育委員会ではないかと思います。教育長ではないかと思います。武道場をつくったということですが、これは体育館と離れておりますので、同一の使用なんてできるはずがありません。そういうことで、まず今、体育館は非常に困っておりますので、これについて何とかできないのか考えていただきたいと思います。
時間があれば後で答弁をいただきたいと思います。
次に、図書行政ですが、本年は、予算をふやしていただいたというふうにご答弁がありました。確かに600万円ほどの予算をふやしていただいて2,200万円ほどの
図書購入費ということでございます。これは市民一人当たりに対して50円というふうな単価になるわけですが、私はこの質問をするに当たっていろいろな都市の資料を取り寄せてみました。人口約40万人程度の類似都市20ほどの中で、1年間の
図書購入費が、これは平成7年度で9,800万円、これは平均です。多いところは1億3,000万円、少ないところで7,000万円という数字がありますけれども、平均して9,800万円。本市は、本年度で2,200万円。いかに低いかということがわかると思います。市民一人当たりの図書費も今の同じ類似都市で平均224円です。多いところは380円、少ないところで112円。こういうところでありますが、本市は本年度でやっと50円。いかに市民一人当たりの図書費が少ないかということがわかると思います。
また、長崎県内の各都市の同じような
図書購入費並びに市民一人当たりの図書費ですが、市民一人当たりの図書費を申し上げますと、諫早が163円、大村189円、佐世保168円、島原300円、少ないところで平戸で48円、松浦で44円というのがありますが、この当時、長崎市は37円だったわけです。こういうふうなことで、他都市に比べましても図書費が少ないということを、ひとつご指摘を申し上げておきたいと思います。
それから、市民文化の振興について、これはご答弁をお願いしたいんですが、立派なプランができておりまして、私はこれを見てなかなか文化行政への取り組みも本腰が入ってきたなというふうに喜んでおったわけですが、その中で特に、壇上でも申し上げました文化職の導入、
定率予算制度の導入の検討ということを始めたということが記載をされております。これら文化振興について、非常に重要な要素をなすものと思いますが、市長は、答弁の中で2000年をめどに進めたいということですが、また一方、このプランをもとに検討、整理をし研究をしていきたいというふうに、果たして、どういうふうな方針に基づいて実現を図っていくのか。ちょっとはっきりわからないような答弁の仕方ですが、西暦2000年をめどに、こういう文化職とか、定率予算の導入を図るんだというふうに進めていかれるのかどうか、ひとつご回答をお願いいたします。
それと、これは私からの提言でございますが、非常に文化活動をするのについて、財政的なといいましょうか、経済的な裏づけが少ないということで各文化団体は非常に困っているわけですが、できれば市内の各企業に呼びかけまして、大企業でなくても中小企業で結構ですが、いろいろな各企業の方々に、どうか皆さん方、一企業で一つの文化活動を支援してください、多額の金額を出していただかなくて結構なんですが、そういうふうなことで文化活動を支援していただけませんかというふうな呼びかけを、ぜひ市長さんに各機会を通じて行っていただきたいというふうに思います。いわゆる小型の企業メセナということになろうかと思いますが、そういうことから市民の底辺の文化活動を活発にしていく、支えていくというふうな体制ができればいいなというふうに思いますので、この辺についても、ぜひ市長さんにお願いをしたいというふうに思います。
地籍調査の件ですが、なかなか難しい内容ですので及び腰というふうな感じがいたします。しかし、これをやらないと市民の地図に対する要望に応えきれない。いろいろなトラブルについての解決ができないということですので、何とか難しいことはわかりますけれども、それを乗り越えて進めていっていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
その中で、
公共基準点の件ですが、これも検討会議で検討していきたいということですが、国土地理院が2000年に三角点の精査を行うということですが、それが終わった時点に、本市としては取り組むのかどうか。それをひとつご答弁をお願いしておきたいと思います。
この地図というのは、全体の整合性がないといけませんので、部分部分で測量をやっていっても全体のまとまり、整合性というものがつかないわけです。ですから、どうしても外側からずっと攻めてきて全体の枠をきちっと固めるというふうな手法でないと精度が上がらないわけですが、各事業部で単発的にやるということは、ちょっと問題があるんではないかと思いますが、その辺のご回答をひとつお願いいたします。
地番図についてでありますが、これは法的な根拠もないから市民への公開はできないということですが、地方税法によりますと、市町村は条例によって地籍図を備えることになっております。長崎市の市税条例によりまして、第46条「次の簿冊を備える」ということで地籍図を備えるとはっきり明記をしておるわけです。今、この地籍図のかわりとして法務局から送られてくる公図の写しをそういうふうなものに利用しておりますが、ご案内のように非常に不正確でいろいろ困った面があるということで、何とか地籍図をきちっとしてもらえないかということが私の要求でありますけれども、せっかく地番図という法務局の公図よりはましな図面ができておりますので、これを長崎市独自で、もうちょっと法的な裏づけをつけて、正式の地籍図として長崎独自で備えることができないのかどうか、そういうことをお尋ねしたいわけです。
公共基準点の設置とともに、この地籍図をきちんと備えるということが地図行政の私は市民の要望に応える、責任を果たすことになるというふうに思いますので、ぜひこれに取り組んでいただきたいと思います。
この件についても、ひとつご答弁をお願いいたします。
7 ◯教育長(内田進博君) 最初の
三重中学校の体育館の件でございますが、現在の22クラスでは何とか入っているというような状況でございまして、これが13年以降、15年ぐらいになりますと、さらに厳しくなるというような状況にございます。ただ先ほど申しましたように、団地開発にかかる人員増といいますか、生徒増のためによるものでございまして、先ほど申しましたように、今後13年以降になりますと、団地内に新たに中学校を分離開設するということになれば、この辺はおのずから解決されるわけでございます。
したがいまして、今の体育館につきましては、先ほど答弁いたしましたように、昭和53年に建設をいたしまして15年を経過いたしております。これを全面的に建て替えるとなりますと40年を経過しなければならないというような補助の基準等もございまして、そういう制約がある。それと、今の敷地にある体育館をそのまま広げるとなれば敷地がちょっときついということでございます。ただし、
三重中学校につきましては、運動場がほかの学校に比べますと割と広うございます。したがいまして、運動場につくればつくれないということはないわけでございますが、今申しますように、そうなれば分離した後の運動場が狭くなるというような不都合もございます。したがいまして、13年、15年には、この辺の新団地形成によります中学校分離ということになれば何とか解決できるんではないかと思いますので、その間、いろいろな方法で我々としては努力をしていきたいと考えますので、よろしくお願いします。
8 ◯企画部長(峰 繁紀君) 文化行政の文化職の問題と、それから
定率予算制度の導入の検討についての2点についてご回答申し上げます。
文化行政につきましては、文化事業の企画とか調整などに必要な専門的で幅広い知識と経験、そして多くの文化関係者との信頼関係などが必要とされております。こうした人材は通常の一般事務職に見られますローテーションの人事によっては、なかなか得ることができないのが現実でございまして、そういった理由から、本計画には
文化職制度の検討を一つの施策例として挙げております。
文化職制度そのものにつきましては、全国的に見ても制度化されたところはございませんし、また法的に資格の付与というものもございません。ここで言う
文化職制度と申しますのは、文化に明るく専門的な知識を持った職員を文化行政の現場に取り入れようとするものでございまして、例えば自主事業の企画とか、政策ができるホールプロデューサーとか、あるいは音楽、演劇、そういったアドバイザーなどを想定いたしておるわけでございます。
このような文化畑のスペシャリストを取り入れることは、館の運営とか、そういった芸術文化の向上を図る上でも非常に有効な手段だと考えておりますので、今後とも関係部局との間で調整を図りながら研究していきたいというふうに考えております。
それから、
定率予算制度の問題でございますけれども、長崎市の文化振興にとりまして、行政がみずから企画をしまして実施する自主文化事業、これは地域にも大変な文化的刺激を与えまして、文化活動の活性化を図りまして、文化の根づいた地域社会をつくっていく上で大変重要だというふうに考えております。この自主文化事業を展開していく上で毎年、予算の規模が極端に変動することがないような形で持っていくことは非常に大事なことだと思いますし、全国的にも、いろいろな予算の定率制度につきましては、いろいろな形で取り入れられておることもよく存じておりますので、この
定率予算制度についても、今後、財政とか、そういった
文化振興協議会の中でも、こういった問題を取り上げながら研究してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくご理解をお願いいたします。
以上でございます。
9 ◯建設管理部長(諸岡克重君)
公共基準点の設置につきましては、井手議員ご指摘のとおり、道路と公共用地取得ほか将来の国土調査等においても重要なものと考えております。
つきましては、先ほど市長がお答えいたしましたように、国土地理院の調査も予定されていることから、国土地理院との協議、指導を得ながら地域、方法等の事業計画への検討を進めてまいりたいと考えております。
よろしくご理解のほどをお願いいたします。
10 ◯議長(奥村修計君) 次は、47番中村すみ代さん。
〔中村すみ代君登壇〕
11 ◯47番(中村すみ代君) 質問通告に基づきまして、4点にわたり質問いたします。市長並びに理事者の皆さんの明快なご答弁を期待するものです。
まず第1点目ですが、アジアと共生する21世紀の長崎市について。
今、我が国では、経済大国になった日本が21世紀へ向けて世界とアジアの中でどういう進路をとるのか、さまざまな議論が展開されています。そのさまざまな議論がある中で、21世紀に向けた日本の進むべき道を考える上で、また、アジアと共生する21世紀の長崎市についてを考える上で、私にとって大変参考になった論文と新聞掲載談話があります。論文とは、雑誌「世界」1997年1月号に掲載された野田英二郎氏、この方は元駐インド大使で現在、日中友好会館副会長を務めていらっしゃる方です。この野田英二郎氏の「自主平和外交への道-日米安保条約を終了させ、アジアの中の日本を」というタイトルのもので、小見出しでは、世界各国の大使館を歴任した元外交官が繁栄と平和に向かうアジア情勢を踏まえ、日米安保体制の得失を論じ、在日米軍基地の全廃と日米安保条約の終了を提言する。「保つに時があり、捨てるに時があり」(旧約聖書)独立国家の面目を保つべく、日本は今決断を迫られているとなっています。もう一つの新聞掲載談話は、去る5月3日の朝日新聞の「後藤田正晴の目」です。
まず、野田氏の論文の要旨について簡単にご紹介したいと思います。
今日のアジア情勢を見るとき、我が国では冷戦が終わったために、かえってアジアでも不安定要因が増大しているとか、アジアに社会主義体制の国が残っている間は、アジアでは冷戦が終わっていないなどとする見解が聞かれるが、決してそうは思わない。むしろ繁栄するアジアの国際秩序は1990年代はアジアの戦後史上で最も安定した平和の時代に入っている。したがって、アジアにおいて、米国の安全保障の後見人の役割を担ってもらう必要は既に減退しつつある。また遠からぬ将来に、その必要が全くなくなる可能性もあるのではないかと考える。だから、我が国は日米安保条約を終了させ、米軍基地をすべて撤去させて、我が国を独立国家とし、アジアと共生する日本にしていかなければならないというもので、最後に、あえて問題提起を行い、既成の概念にとらわれない自由な国民的論議を望むものであると結んでいます。
また、「後藤田正晴の目」ですが、後藤田氏は、故田中角栄氏の懐刀と言われた人物で、前衆議院議員・元副総理の経歴を持つ大物保守政治家であることは、既に周知の事実です。「後藤田正晴の目」では、要約すれば、憲法改正の是非をめぐって改正を言い出すには早過ぎる。軍事力による国際貢献ではなく、食糧、人口、疾病、公害等の問題で国際貢献すべきであること。そして、アジアについては、東南アジア各国、中国、韓国、米国といった国々と安全保障面の対話をする場をつくり地域的な安全保障の枠組みをつくることができれば、仮想敵国の存在を前提とした軍事同盟としての日米安保条約は、当然のことながら、日米友好条約の方向へいくべきだろうということになるかと思いますと、「後藤田正晴の目」で語っています。
潮止め堤防の閉め切りは、防災効果どころか、誘災危険を恐れますし、事業費が2,370億円に倍増したのに加え、これからの内堤防20キロメートル余の建設や現在の地先干拓遊休地を超える面積の新たな干拓地1,477ヘクタールに、一体だれが入植するのでしょうか。除塩を要する干拓地10アール当たり110万円は、現在でも周辺地価より高く、完成引渡時には恐らく数倍高いものになりましょう。営農地として疑問が多く、内側調整池は汚染し、自然環境は決定的な破壊が進み、無数の生物と貴重種は死滅します。当然にも渡り鳥の飛来はなくなるでしょう。振り返る勇気、手を休め、多くの国民と対話するゆとりを知事と農水省幹部は持ってほしいと思います。
狭過ぎる水門ではありますが、潮位を考えながら大きく開いて話し合うよう中核市の市長として要請されることを希望します。長崎市民も環境の享受者であり、国・県税の納税者であります。
3つ目は、市が排出する廃棄物の処理についてであります。
市が行政推進の上で排出する一般廃棄物と産業廃棄物は膨大な量です。法にうたわれた排出者責任を市民や事業者への模範として実施すべきであります。業者への安易な委託で済ませることなく、徹底した減量とリサイクル、再利用を推進すべきであり、その実績を明らかにしていただきたいと思います。特に、公共工事に伴う建設廃材、上下水道の汚泥の減量、リサイクルの現況と将来の方向性についてご説明いただきたいと思います。
大きく2つ目は、長崎県廃棄物公共関与事業についてであります。
まず、その計画内容について。
計画からこれまでの経過、13カ所といわれる候補地名、1カ所に絞り込んだ理由、建設予定地、面積、容量、施設内容、環境影響評価、建設の時期、地権者との交渉、建設費、運営体、運営経費、稼働年限、埋立年限、埋立処分後の管理など、すべてを明らかにされたい。
2つ目に、長崎市の水道水源上流につき建設場所の変更を求めてほしいのであります。
大きく3つ目は、長崎市許可による産業廃棄物処理施設の現況について質問いたします。
まず、最終処分場(管理型)の管理方法についてであります。
許可年月日及び許可時の条件を明らかにされたい。
まず、埋立面積、埋立容量、処分方法、周辺環境対策、処理施設の水処理と水質管理、調整池あるいは浄化施設の有無及び残存処分地容量、埋立処分完了後の後年度管理方法と年限、周辺住民対策、市の管理指導体制。
2つ目は、神浦ダム水源の水質保全対策であります。
定期観測は行われていると聞いておりますが、目視による汚濁は極めてひどいものがあります。随時、臨時にポイントを選定して、より安全サイドに立っての検査方式を採用すべきだと考えるものであります。
また、水道事業者として、原水の質の向上のため水道水源保護を条例化すべきことを県へ働きかけるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
以上、壇上からの質問といたします。=(降壇)=
21 ◯副議長(塩川 寛君) 伊藤市長。
〔伊藤一長君登壇〕
22 ◯市長(伊藤一長君) 井原東洋一議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。
まず、環境問題についての政治姿勢についてお答えをいたしたいと思います。
平和の概念についてでございますが、本市は、52年前のあの悲惨な被爆体験に基づき世界の平和、人類の存続を脅かしております核兵器を地球上からなくさなければならないというふうに訴え続けております。同時に、世界には飢餓、貧困、難民、人権抑圧、地球規模の環境破壊など平和を妨げる多くの問題があり、私としましては、真の世界平和実現のためには、世界の国々が努力しなければならないというふうに考えております。
このような地球環境を考えるときに、環境問題は重要な行政課題であるというふうに受けとめております。
本市におきましても、環境がもたらす恵みを将来世代まで継承すること、環境への負荷の少ない循環型社会を形成すること、すべての主体の参加による足元から地球規模までとらえた行動を推進することを基本理念とする(仮称)長崎市環境基本計画を本年度から3カ年で策定することにしているわけでございます。この計画を実行することによりまして、地球環境問題、また、これに端を発します平和問題への解決に向けまして微力ながら貢献できるものというふうに考えております。次に、諫早湾干拓事業見直しの国への要請の件でございますけれども、井原議員はできるだけコピーでない方がということでございますが、質問の趣旨が昨日の山本誠一議員の質問と全く同趣旨のようでございます。
非常に申しわけございませんが、この問題につきましては、現在、さまざまな問題が指摘されまして、国政の場でも議論をされようとしております。また先般、農林水産省と環境庁との間で諫早湾干拓環境保全連絡会議が設置をされまして、今後の対策が検討されると聞き及んでおりますので、この推移を見守ってまいりたいというふうに考えております。
次に、市が排出する廃棄物の処理につきましてお答えをいたしたいと思います。
建設工事に伴って副次的に発生いたします土砂、コンクリート塊などの建設副産物は、そのほとんどが安全なものであり、多くは資材として再利用が可能なものであります。本市における建設工事の発注に当たりましては、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊等の建設廃棄物の処理につきましては、再資源化施設工場に搬出をいたしまして、再利用することを条件として明示し、必要な費用を計上するとともに、施工者に対しましては、工事着手前に事業課及び施工者が協議をし、建設副産物処理計画書を作成していただき、各発注部局におきまして効率的な再利用の促進及び適正処理に努めております。
次に、工事の現場から搬出される建設廃棄物の再利用の用途につきましては、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊の場合は、道路舗装及びその他の舗装の下層路盤材料や土木構造物の裏込材及び基礎材等へ利用しております。
平成7年度のコンクリート及びアスファルト塊の建設廃棄物は約2万3,000立方メートルあり、そのうち79%が再利用されております。なお、建設発生土は廃棄物ではありませんけれども、平成7年度に本市が発注をした工事の最終処分場での処理量は約20万7,000立方メートルでございます。特に、平成8年度から建設発生土を抑制し、残土の受け入れ地の延命化を図るとともに、残土を資源として活用するために、長崎市建設発生土対策連絡会議を設置し、具体的な検討を行っているところであります。平成9年度には、建設発生土及び浄水発生土に生石灰を添加いたしまして、上下水道工事の埋戻材として再利用するための実証試験を行い、その結果を踏まえまして、平成10年度から本格実施をするための方策を現在検討しているところでございます。
一方、本市の終末下水処理場から発生する汚泥は、一日約70トンございます。これらの処分につきましては、現在、自然環境に悪影響を与えず、また、資源の有効活用が図られるということで国が推奨し、コストも比較的安価なコンポスト(有機肥料)化を民間に委託して行っているところであります。生産されましたコンポストは、現在、県内各地で農業用土壌改良材として幅広く活用されているところであります。
なお、今後の下水道の普及に伴い、年々増加する汚泥の処理につきましては、その全量をコンポスト化し、その受け皿を確保していくことは困難であると思われます。そのようなことから、下水道内部の下水汚泥処分対策委員会におきまして種々検討を重ね、コンポスト化と併用して溶融施設による処理の二本立てで対応するということで一定の方向づけをしているところであります。
一方、長崎県におきましては、昨年度より県内の下水汚泥の処理の基本的な考え方の研究に着手しておりまして、これらの処理は広域的に対応すべきものとした考え方に立った検討がなされております。
本市におきましても、独自で溶融施設を建設し、その処理に当たるとすればコスト的に相当高い経費を伴うことになりますので、今後、増加する汚泥の処理につきましては、近年、産業廃棄物の減量化・再資源化の技術も相当進歩しており、これらの技術を取り込んだ民間業者の処理能力を積極的に活用しながら対処することも検討し、今後の県の動向を見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
また、浄水過程で発生する浄水発生土につきましては、年間約2,000立方メートル発生し、現在、手熊浄水場内におきまして管理型の埋立処分を行っております。しかしながら、他都市の状況を見ますと、資源のリサイクルを基本に、配管工事の埋戻材、園芸用の資材、グラウンド用の資材などとして利用されております。
したがいまして、浄水発生土につきましても、先ほど申しましたように、建設資材として再利用するように検討しているところであります。
質問の第2番目の長崎県廃棄物公共関与事業につきましてお答えをいたしたいと思います。
廃棄物の処理に関しましては、全国的にも廃棄物処理施設の設置が困難となっているため、一般廃棄物、産業廃棄物を問わず、その適正処理が困難になりつつあります。このため長崎県におきましては、県、市町村、民間事業者が一体となりまして第三セクターによります公益法人を設置し、県内で発生する廃棄物の適正処理を推進しようとする計画の概要が発表されたところであります。この計画の廃棄物処理施設の設置方針の中で、施設の設置に当たっては、地理的、地形的特性、運搬効率、緊急性について調査・検討を行い、当面、条件が整った1カ所を設置するとともに、県、市町村、民間の主要団体からなります廃棄物公共関与事業推進協議会におきまして協議・検討が行われました結果、平成8年6月に西彼杵郡琴海町西海郷を環境アセスメントを実施する候補地と決定し、公表されたところであります。
公表されました計画によりますと、施設の計画面積は51万4,000平方メートル、施設整備の概要は、廃棄物処理事業関連施設として25年有効の60万立方メートルの最終処分場、リサイクル事業関連施設として熱供給施設の焼却施設、処理困難な廃棄物及び建設廃材の再資源化のためのリサイクルプラザ、浄水汚泥処理施設のリ・ソイル工場、有機性汚泥処理施設のコンポスト化工場及びストックヤードの建設が予定され、また、研究開発事業施設としての環境研究所、実験研究室、環境情報・研修センター及びコミュニティセンターの建設が計画されております。
処理対象廃棄物といたしましては、民間及び市町村では対応が困難な廃棄物で、産業廃棄物としては燃え殻、有機性汚泥、無機性汚泥、廃プラスチック及び建設廃材を、一般廃棄物は焼却残さ、粗大ごみ及び資源物を、特別管理産業廃棄物は感染性廃棄物、特定有害産廃及びばいじんが予定されております。なお、本計画に係る住民、団体等への説明及び環境アセスメント等諸調査の結果につきましては、今後の事業展開の中で進められていくものと考えております。
また、廃棄物を適正に処理するために、一、減量化・再資源化の実施、一、無害化処理の実施、一、ハイレベルの環境保全対策、一、共同利用施設等の整備を柱とした施設計画がなされており、特に、環境保全対策として、施設内で生じる排水につきましては、雨水を除いてセンターの外部には排出しない完全クローズド型のシステムを採用する計画であり、水源の汚染は心配ないとの県の説明を受けているところであります。
また、同施設の埋立地の有効年数は25年を予定されております。
なお、現行の廃棄物処理法においては、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令」におきまして、最終処分場は、埋め立てられた産業廃棄物の飛散及び流出、埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染並びに埋立地からの火災の発生の防止のための必要な措置が講じられていることを確認した上で閉鎖することとされております。
また、今国会で審議中の廃棄物処理法の改正の中でも、最終処分場における埋立終了後の適正な維持管理の確保を目的とした規定の整備がなされる予定であり、これらを踏まえて、埋め立て終了後の管理がなされていくものというふうに考えております。
次に、建設場所の変更の件についてでありますが、未利用資源としてとらえ、徹底したリサイクル主体の事業展開を行うとともに、この施設を本県のリサイクル産業の中核として位置づけ、環境にやさしい産業の創造を目指して先進的な役割を果たそうとするこの公共関与事業につきましては、本市におきましても廃棄物の適正処理の確保は事業活動の発展に不可欠のものであり、産業振興の面からもこの計画にかかわってまいりたいと考えておりますが、場所の変更につきましては、この事業に参加している立場からも、また、政令市として参画している長崎県環境整備事業団(仮称)設立準備会の委員の立場からも、この事業の進捗を十分見極めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、本市許可による産業廃棄物処理施設の現況についてお答えいたしたいと思います。
最終処分場の管理方法ということでございますが、本市は保健所設置の政令市として、産業廃棄物処理業者等に対し、産業廃棄物の適正処理に関する指導・監督権限があり、産業廃棄物の不適正処理に対しましては、その適正処理確保のための行政処分権限を有しております。
ご指摘の産業廃棄物処理施設につきましては、昭和50年8月11日に産業廃棄物処理業としての許可を行い、許可時の条件といたしましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、同施行令及び同施行規則の関係規定を遵守することとしているものであります。
なお、最終処分施設の全体規模でございますが、面積20万5,760平方メートル、埋立容量107万立方メートルであります。
埋立施設の処理方式といたしましては、安定型最終処分及び遮断方式による管理型最終処分となっておりますが、このコンクリート構造のプールに管理型廃棄物を埋立処分する遮断方式の場合、浸出水は出ないようになっているため、排出処理設備は不要となっております。
なお、平成8年3月までの埋立容量でございますが、コンクリートプール方式で1万901立方メートル、それ以外で16万2,285立方メートル、残容量89万6,814立方メートルとなっております。
同施設に対しましては、廃棄物処理法に基づく報告の聴取及び立入検査等を定期的に、あるいは随時に行うほか、処理場及び周辺の水質調査等を行うため、関係部局合同で年4回の合同調査を実施するなど、産業廃棄物の適正処理の指導、監視に努めているところであります。
また、埋立終了後の管理体制につきましても、廃棄物処理法に基づき最終処分場における埋立終了後の適正な維持管理の確保についての指導、監視を行っていくことといたしております。
今後とも、廃棄物の適正処理の確保のため、廃棄物処理施設の構造、維持管理等に関しましては厳正な指導、監視を行ってまいりたいというふうに考えております。
いま一つの質問につきましては、水道局長の方から答弁をいたしますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
以上、本壇よりの答弁といたします。=(降壇)=
23 ◯水道局長(浜崎省吾君) 最後の問題でございます神浦ダム水源の水質保全対策についてお答えいたします。
内容につきましては、水道局では、ダムの水質管理につきましては、ダムへの流入水あるいはダム水を定期的に採取し測定を行っているところでございます。
ご指摘の神浦ダムにつきましては、昭和46年の供用開始以来、ダムへの流入地点(神浦川の本流、支流等)とダム水及びダムから手熊浄水場へ送水する地点(取水口)につきまして、月1回水質検査を実施いたしております。特に、取水口の水につきましては、別途年1回の検査を行うなど充実を図っているところでございます。また、昭和62年度からは、神浦川本流上流部の流入水につきましても環境部、下水道部、水道局による年4回の合同調査を含めまして、年9回の水質検査を行うとともに、カドミウムや水銀など重金属につきましても年2回の検査を実施しているところでございます。
いずれの検査におきましても、神浦ダムの水質につきましては、他のダムの水質と比較いたしましても問題はございませんし、また、神浦ダムから取水しております手熊、三重浄水場による魚の毒物監視においても異常はないことから取水を継続して給水をしているところでございます。
水道局といたしましては、今後とも神浦川本流上流部の調査を含めまして、現行の水質検査を継続する考えでございまして、水質管理につきましては、今後とも定期的な測定を行うなど引き続き水質の監視に努めていきたいと存じます。
また、県のダム管理事務所とも連絡を密にいたしまして、安全で良質な水の供給に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、水道水源保護条例の件についてお答えいたします。
水源保護条例の件につきましては、近年、水源を保護するための条例を制定しようとする動きもございます。この条例に共通する内容につきましては、水道に係る汚染を防止し、清浄な水を確保するために水道水源を保護することを目的として水源保護地域を指定し、対象施設等の設置を規制する内容でございます。
水道局といたしましては、平成5年に水道法の水質基準の調査項目が26項目から46項目に改正されたこと、また、長崎市環境保全条例による指導や水質汚濁防止法等により、現行法体制の整備の中で水道水の水質保全は確保できるものと考えております。
また、本市は現に他市町に水源を求めているところでもございまして、今後も水源の広域化も進んでいくことが予想される現状下では、本市が水道水源保護条例を制定いたしましても、他市町の行政区域にかかる規制は困難であると考えておりますけれども、ご指摘の県への働きかけ、これは全国47都道府県の中で、県段階では長野県が1県、市で9市、町で27町、村で4村、合計41の都道府県・市町村が水道水源保護条例を制定しているところでございます。
したがいまして、県への働きかけということになってまいりますと、長崎県下では79市町村の意向等も十分に踏まえた上での対応が必要ではないだろうかというふうに存じておりまして、今後とも他県あるいは類似都市の状況等を調査させていただきまして研究してまいりたいというふうに存じております。
いずれにいたしましても、今後とも関係市町との連携を十分に図りながら水質管理に努めるとともに、県のダム管理事務所とも連絡を密にいたしまして、水道局の責務でございます安全で良質な水の供給に努めてまいりたいというふうに存じます。
以上でございます。
24 ◯19番(井原東洋一君) 再質問をさせていただきます。
まず最初に、水道局長は非常に自信を持って言っておりますけれども、長崎市民が浄水器、成水器、ミネラルウォーターあるいは多良岳の水、そういうものを求めているという実態を、どのようにあなたは考えているのか。まず、そこら辺を十分、次の質問までに検討しておってください。
市長、21世紀は間違いなく環境と福祉の世紀であろうというふうに思っております。多分、市長もそう思っておられるのではないかと思います。人間は自然をずっと収奪してきましたけれども、自然は人間を必要としているとは思われません。
市長は、長崎は平和の発信地と言われておりまして、きょうの答弁では、環境基本計画をこれから3カ年で策定し、微力ながら平和に貢献できるものと考えるというふうに、担当部の原稿をお経読みされるのではなくて、あなたの口からあなたの言葉で語っていただきたい。「伊藤一長、ここにあり」ということを示していただきたいと思うわけです。
来年は「環境元年」と、「元年」を市長さんはお好きですけれども、来年は「環境元年」ということで取り組んでいただきたい。2期目に問題を先送りしないで、「1期目の仕上げの年にします」と、あなたの自信にあふれた言葉でそのように答えてほしいというふうに私は願っています。
さて、冷静に科学的に物事を考えますときに、土木工事以外にその目的をなくしてしまったような諫早湾干拓事業が今世紀末の愚挙となるであろうことは、私は残念ながら論をまたないというふうに思っております。環境倫理でいう「自然・生物と人との共生」を考えず、人間の営みだけで事を処するならば取り返しのつかないしっぺ返しがくるのではないかというふうに心配するものです。
また、廃棄物問題について申し上げますならば、去る4月24日、政府と自民党、社民、さきがけ3党による財政構造改革会議の企画委員会(座長・加藤紘一幹事長)が発表した公共事業見直しの参考にするための全国市町村財政担当課長と中央省庁の課長さんたち5,000人を対象に実施した「公共事業のあり方について」のアンケート結果が大変参考になります。
予算配分を減らすべき事業の第1番は、地方も中央も「新幹線の整備」であります。予算配分をふやすべき事業は、地方も中央も「廃棄物処理施設の整備」が第1位となっております。回収率は市町村88%、省庁42%ですから、恐らく長崎市も有地財政部長もしくは井塚課長さんが意見を申しておられると思います。
廃棄物の処理は、まさに「人と時代との共生」の課題であって、核爆発を兵器でスタートさせた人類の悲劇を最初に受けた広島と長崎では、何十年も被爆者が苦しみ続けておりますように、私たちは廃棄物を軽くあしらって、焼きつくし、封じ込めていたつもりのごみが何十年か何百年か先に息を吹き返し、空気や水を汚染し、さらには人間を逆襲する。そんな事態が空想ではなくて現実になってきつつある。
こう見てまいりますと、まさに市長、来年は「環境元年」ということで、諫早湾の干拓は干潟を死滅させないために水位を見て水を入れようではないか。水道水源の上流の産廃施設はだめだ。既設最終処分場は排出責任を持つ長崎市も改善策を講じなければならない。そういうメリハリのきいた答弁をしていただきたいものだというふうに思っております。
市長が今は1期目ですから、大胆な発想と発言が有利に可能であるというふうに私は思っているわけです。どうかひとつ、地方分権の長として、自治の本旨に基づく市長の後世に残るような発言に再度、私は耳を傾けてみたいと思います。
まず、市長の再度のご答弁をお願いします。
25 ◯市長(伊藤一長君) 井原東洋一議員の再質問にお答えをいたしたいと思います。
諫早湾干拓につきましては、先ほど本壇でお答えしましたとおりでございますし、昨日の答弁とも全く同じでございます。
以上でございます。
26 ◯19番(井原東洋一君) 21世紀が福祉と環境というふうに申し上げましたけれども、坂本福祉保健部長は今回はお休みいただくといたしまして、産廃と不法投棄のお目付役として、まさに時の人となるであろう舩本環境部長に登場をいただかなければならないと思います。
まず、長崎県廃棄物公共関与事業についてであります。
現実の問題として、私は産業廃棄物施設は必要だというふうに思っておるわけです。しかし、この計画の場所設定は、地理、地形の特性、運搬効率、緊急性で調査・検討し、西海郷が条件が整ったということですが、水道水源上流がなぜ適地になるのか。全国あらゆる都市で今、紛争が起こっているのは、ほとんど水道水源の問題であります。しかも、周辺の外海町も議会あるいは町長さんも挙げて反対しております。署名も相当進んでおります。もちろん、別の課題ですけれども、大瀬戸町も反対し、長崎市議会にも反対の要請がきているという実態であります。さらに、問題の琴海町は、水道水源の保護条例を大瀬戸町とともに持っている土地柄であるわけです。
水も漏らさないような完璧なモデルという施設のことですけれども、完璧のはずの原子力発電所の相次ぐ事故が問題になっております。あるいは自然災害を防ぐことができない例が幾つもあります。火災などの人災、コンクリート等の設備の老朽化、そういう問題を考えたときに遮水シート工などという薄っぺらな安全神話は既に各方面で崩れているわけであります。
水は、諫早干拓では下から上に流れるそうですけれども、通常、上から下に流れるものでありまして、全国の紛争が水とのかかわりが最大の問題であることを考えるときに、そんなに安全であるならば海面埋め立てはなぜ考えられないのか。例えば電力発電所等はほとんど海面埋め立てをしております。炭鉱も海面埋め立てをしているわけであります。
さらに、残る12カ所の予定地点は、どこだったのかをできれば明らかにしていただきたい。
次に、市の許可による産業廃棄物処理施設の現況についてお尋ねをいたします。
現在、市許可の管理型最終処分場は何カ所ありましょうか。その名称と場所を教えていただきたいと思います。
まず、以上について質問をいたします。
27 ◯環境部長(舩本昌人君) 井原議員のご質問にお答えいたします。
まず、場所の設定の件ですが、水源上になぜ設定するのかということと、海面埋め立てができないかという、この2つがポイントかと思います。確かに、井原議員が言われるように、産業廃棄物は豊かさの副産物として出てくるものでございまして、廃棄物の処分場というものは、これは生活をしていく上にはなければならない施設であろうと私は考えております。
そういう状況の中で、県においても廃棄物処分場の必要性というものを十分考えた上で推進協議会というものを設立しまして、行政、民間団体、有識者、利害関係者、そういう方たちにお集まりいただきまして15名の委員という構成で協議をされたものと考えております。
当然、そこで今議員が言われるように、なぜ海面埋め立てができないのかということもいろいろ討議されたものと私は推測はしております。しかし、その会議に出ておりませんので、はっきりしたことはお答えできませんが、推測はあらゆる面から検討をされたものというふうに考えております。結論としまして、今の西海郷というものは環境アセスメントの候補地として公表されたという経過があるんだろうと思っております。これも先ほど市長もお答えされたように、完全クローズド型で25年という期間で埋め立てられるということですので、その後の閉鎖をする場合にも法的措置の中で閉鎖をされるので、現時点では、私たちはこの施設の推進にかかわっていく所存でございます。
それから、2番目の現在、長崎市内で許可した施設は何カ所かということでございますが、これは管理型処分場を有する箇所は1カ所でございまして、松崎町にあります長崎三共有機株式会社でございます。
以上でございます。
28 ◯19番(井原東洋一君) 管理型の最終処分場は、長崎市内では三共有機だけということがわかりましたが、実は私も三共有機の埋め立て周辺を調査し、そして何人かの地元住民の皆さん、あるいは生産者の皆さんにお話をお聞きしてまいりましたが、悪臭、水質汚染等々でいろんな対策や補償がこれまで行われてきております。なかには120メートルのボーリングをつくり浄水施設をつくる。あるいは150メートルのボーリングをつくり浄水施設をつくる。これは5年しかもたないので、またつくる。それから、それぞれの民家に対しましてはポンプと浄水器、そして月1回の巡回点検、さらに悪臭についてはクーラーを取り付ける等々の近隣対策といいましょうか、補償というふうに言っていいのかわかりませんが、そういうことが水質という面で行われてきております。乳牛育成の牧場主に対しても、原乳が悪臭で売れなくなったため、それについての水源の取り替え等々もやられておりますが、長崎市としては全く障害はない。しかし、その周辺の居住住民あるいは事業を営んでいる皆さん、お百姓さんは、災害が出てきておって、その補償が行われておるという、この実態について、どのように把握されておるのか。行政上の指導とか処分、そういうことは全く行われてなかったのかどうか。そこら辺を示していただきたいと思います。
市は、昭和50年8月11日に産廃処理業として許可を与えております。その規模は20.6ヘクタール、容量107万立方メートル。平成8年度末の埋立実績は、コンクリートプールによる管理型で1万900立方メートル、全体の6.3%、安定型に16万2,285立方メートル、93.7%。大半が安定型に埋められているということになるわけです。21年間で17万3,186平方メートルですから、残存容量を計算するならば、単純に計算しましても、あと100年もつという計算になってしまうわけです。
ところで、長崎市の産業廃棄物の排出総量は、7年度で16万5,154トンであります。中間・最終の内訳はわかりませんが、この三共有機の処分場には長崎市以外の周辺の町からも搬入されております。私の想定では、長崎から持ち込まれる、あるいはよそから持ち込まれる下水道の汚泥を除いて年間約1万2,000トンぐらいが処分されておるだろうと推定しておりますが、そうすると70年間は同じ場所で埋め立てができるという計算に数字上はなるわけです。これは正しいのかどうか、どう見るべきかということが私は判断できません。そんなものではないだろうというふうに思っております。それほどの残存容量があるならば、わざわざ公共関与のものを別に大型のものをつくらなくてもいいのではないかということにさえなってくるわけです。